【仮想環境】Proxmox VEをインストールして、仮想化プラットフォームを構築する方法を詳しく解説します!!

こんにちは。

自宅のサーバPCに「Proxmox VE」をインストールして、仮想化プラットフォームを構築したので、やり方を解説していきたいと思います。

今回は「Proxmox VE 7.3」をインストールします。


「Proxmox VE」とは

Proxmox VE(正式名称:Proxmox Virtual Environment)とは、仮想化環境を構築するためのオープンソースの仮想化プラットフォームで、LinuxディストリビューションであるDebianベースで開発されています。

KVM (Kernel-based Virtual Machine) LXC (Linux Containers)に基づいており、仮想マシン(VM)やコンテナを作成、管理、監視するための機能を提供しています。

Webベースのユーザーインターフェースを備えており、仮想マシンの作成、スナップショット、復元、クローン、移行などを簡単に行うことができます。また、Proxmox VEは、HA(高可用性)、ストレージのクラスタリング、バックアップ/復元など、ビジネスクリティカルな環境での使用に適した機能も提供しています。


「Proxmox VE」をインストール

1. インストールメディア作成

「Proxmox VE」をインストールするために、インストールメディアを作成します。

今回は、USBメモリを使用します。

ISOファイルをダウンロード

公式サイトから最新バージョンのISOファイルをダウンロードします。


USBメモリに書き込み

ダウンロードしたISOファイルを、USBメモリに書き込みを行います。

書き込む方法は色々ありますが、今回は「Rufus」を使用します。

①「Rufus」をダウンロード


②「Rufus」を使用してUSBメモリにISOファイルを書き込み

「rufus-xxx.exe(xxxはバージョン)」を起動して、デバイス欄から書き込みを行うUSBメモリを選択し、「選択」ボタンからISOファイルを選択します。


ISOファイルを選択すると、「書き込みにはDDイメージモードが適用されます」と表示されますが、それで問題ありません。


他の項目は変更する必要がないので、そのまま「スタート」を押して書き込みを行います。

状態が準備完了になったら書き込みは完了です。


2. PCに「Proxmox VE」をインストール

作成したインストールメディアであるUSBメモリを、「Proxmox VE」をインストールするPCに挿して、PCを起動します。

インストール前の注意点

「Proxmox VE」をインストールする場合、「Secure Boot」が無効になっている必要があります。もし有効になっている場合、BIOSから「Secure Boot」を無効に設定してからインストールを行ってください。

Secure Boot」が有効になっている場合に表示されるエラー画面の例


操作選択

今回はインストールを行うので、「Install Proxmox VE」を選択して「Enter」キーを押します。


利用規約に同意

利用規約を確認し、問題が無ければ「I agree」ボタンをクリックします。


インストール先を指定

「Proxmox VE」をインストールするストレージ(HDD、SDD)を指定して、「Next」ボタンをクリックします。


場所とタイムゾーンの設定

国、タイムゾーン、キーボードレイアウトを設定して、「Next」ボタンをクリックします。

項目内容
Country
(国)
お住まいの国を設定します
Time zone
(タイムゾーン)
お住まいの地域に合わせて設定します
Keyborad Layout
(キーボードレイアウト)
使用するキーボード配列に合わせて設定します


管理者パスワードとメールアドレスの設定

管理者パスワードとメールアドレスを設定して、「Next」ボタンをクリックします。

項目内容
Password
(管理者パスワード)
管理者として使用するパスワードを設定します
Confirm
(パスワード確認)
「Password」で入力したパスワードを再度入力します
Email
(メールアドレス)
障害時などにメールが送信されるメールアドレスを設定します
※必要なれれば架空のメールアドレスを設定して問題ありません


管理用ネットワークの設定

管理用ネットワークを設定して、「Next」ボタンをクリックします。

項目内容
Management Interface
(管理用インターフェース)
管理用ネットワークに使用するネットワークインターフェース(NIC)を指定します
Hostname(FQDN)
(ホスト名)
ここで設定するホスト名はドメイン名を含む形式になるので、ホスト名の最後にドメイン名を設定します
とりあえず「.local」などを付加すれば良いと思います
IP Address(CIDR)
(IPアドレス)
管理用ネットワークのIPアドレスを設定します
Gateway
(ゲートウェイ)
使用するゲートウェイのIPアドレスを設定します
DNS Server
(DNSサーバ)
使用するDNSサーバのIPアドレスを設定します


最後確認

表示されている内容で問題がなければ、「Install」ボタンをクリックします。

項目内容
Automatically reboot after successful installation
(自動再起動設定)
インストールが完了したら、自動で再起動するかを設定します
基本的にはチェックを付けたままで良いです


インストール完了

インストールが完了するまで待機し、インストールが完了したらPCを再起動します。

自動で再起動する設定にしている場合は、そのまま待っていれば再起動されます。

手動で再起動する場合は、「Reboot」ボタンをクリックします。


3. 「Proxmox VE」の管理画面にアクセス

PCの再起動後、しばらく待機すると管理画面にアクセスするためのアドレス(URL)が表示されるので、ブラウザからアクセスします。


「この接続は安全ではありません」などと表示されますが、問題ないので接続を続けます。


ログイン情報を入力して、「Login(ログイン)」ボタンをクリックします。
※言語を変更する場合は、先に変更します(変更すると入力がリセットされるため)

項目内容
User name
(ユーザ名)
初期(デフォルト)は「root」を入力します
Password
(パスワード)
インストール時に設定した管理者パスワードを入力します
Realm
(レルム)
認証システムを指定します
とりあえず「Linux PAM standard authentication」を選択すれば良いと思います。
Language
(言語)
使用する言語を指定します
Save User name
(ユーザ名を保存)
ログイン情報(ユーザ名)を保存するかを設定します


ログインすると、サブスクリプション関連のダイアログが表示されますが、問題ないので「OK」ボタンをクリックします。


管理画面にアクセスできます。


最後

以上が「Proxmox VE」をインストールする方法の解説になります。

VMWare ESXi」を使用する方も多いとは思いますが、早期にCPUサポートが終了してしまいます。
その点、「Proxmox VE」では基本的にLinux Kernelが動作するCPUであれば利用することができます。
自宅などの古いPCで利用したい場合などにはとても助かります。
また、Proxmox VEは無償版で利用する場合に機能制限が全くないのが大きなメリットです。

今回はインストール方法の解説でしたが、今後は他設定などの解説もできたら書いていきたいと思います。

ぜひ、ご参考にしてみてください。